曇り時々雨。
ガッコの仲間のアッバス君はトルコの辞書を持っていた。今日、休憩時間に「トルコから来たんやね」と言うたら、「うん、トルコ。そやけどクルド人やから国はないねん」と、さらりと言われた。
ボク「お、おぅ、そうか。……クルドいうたら、映画で『アララトの聖母』ちゅうのがあったな」
アッバス「それアゼルバイジャンや」
ややこしい。けど、不勉強のボクの失言。地理を知ってないとアカン。しかも陸続きの人達やから、何となくでも国境線の変遷を知っていないと、すぐに失言してしまう。勉強せなアカンのはドイツ語だけやない。
学校帰りにGRIPS THEATERに立ち寄る。ボクの世話をしてくれているODILEオディレさんはボクにドイツ語をよく教えてくれる。ホンマにエエ人。今日は他にも居てる事務所勤務の一人が、「早よ、喋れるようになれよ、いっぱい喋ろうぜ」って言ってくれた。嬉しいやんけ。
19時半より、BERLINER ENSEMBLEにて観劇。タイトルは“LEBEN GUNDLINGS FRIEDRICH VON PREUSSEN LESSINGS SCHLAF TRAUM SCHREI”(格好悪い話だが、翻訳出来ない)とりあえず、残酷童話であった。観たままを言うと、主人公が友人を殺される夢とか戦争とかの夢をみて絶叫する芝居。(子供みたいな報告やな)
やっぱり、Heiner Muellerハイナー・ミュラーの本は難しい。おそらく人間の潜在的記憶の断片を次々とつなぎ合わせて、最終的に人間の持つ凶暴性とか、その対極にある怯えのようなものを造形しようとしていたのだろう。(分からんけど)
ハイナー・ミュラーの本は日本語で読んでも難しいが、今日のも何にも分からんかった。コテンパンだった。ちっとも聞き取れなかったし。けど看板女優さんのオッパイが観られたので満足。ま、そういう日もある。悩まない、悩まない。
帰りに近所の酒屋に立ち寄り、ビールを買う。アレックスが仕事をしていた。コーヒーを二杯おごってくれて、「アツヤ、喋る練習しに来い。明日の晩から。」と言ってくれた。「俺、来週は早番やし、お前も学校があるんやったら、来週は朝10時から11時の間、練習や。」と、続けて言うてくれた。嬉しかった。体の芯から湧き出てくるような喜び。「俺、めっちゃ嬉しいわ」って素直にアレックスに言うた。
アレックス「そのうちウチの家に来いや、メシ食わしたるし」
泣いてもうた。感謝した。ホンマに感謝した。『一人やないんよな、俺』って思った。
早く喋れるようになりたい。皆に応えたい。皆がボクのセンセだ。ホントに感謝してる。

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