2000年7月公演
大阪市助成 / 扇町ミュージアムスクエア協力公演
タイトル | 『ぼらるじんの一日(いちんち)』 | ||||
日時 |
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場所 | 扇町ミュージアムスクエア | ||||
出演 | 山下りき / はしぐちしん / 武資子 / 田中孝彌 / 松蔵宏明 / 荒木千童 / 太野垣論 / 植村好宏 / 高木健太 / 船戸香里 / 菅本城支 / 石本伎市郎 / 西宮久美子 / 小畑香奈恵 / 森下浩充 |
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作・演出 | 田中孝彌(筆名香中穹改め) | ||||
舞台監督 | 宮田重雄 | ||||
照明 | 岩村原太 | ||||
音響 | 金子進一 | ||||
美術 | B.flow | ||||
宣伝美術 | 天音比佐 | ||||
写真 | 金井勝 | ||||
ビデオ | 坂口高志 | ||||
協力 | クオークの会 / 桃園会 | ||||
制作 | 鈴木俊啓 | ||||
あらすじ | 「ボランティアをする」を「ボラる」と若者的に略してみると、「ぼらるじん」とは、差詰め「ボランティアをする人」といったところだろうか。 関西のとある町の商店街。 この商店街も世間の例に漏れず大型店舗に押されがちだが、組合で協力し合ってアーケードも新装した。 伊東正幸は父親の介護をしながらこの商店街で履物店を営んでいる。身体障害者で車椅子生活を強いられている彼が父親を介護するのは、傍目にも大変である。 そんな彼の所へ、介護福祉士の藤井守が週に二度来てくれている。守は正幸の弟の同級生ということもあり心安かった。 最近はボランティアで藤井守の妹・喜美江も手伝いに来てくれる。 伊東履物店の向かいのコインランドリーには、ガラス扉に県会議員・寺本俊樹のポスターがセロテープで止められている。寺本の妻・貴子は婦人会の会長を務め、失踪した一人娘は生きていれば小学校三年生になっている。 街頭では自ら『ぼらるじん』と名乗る三人組が、募金活動に精を出している。食料の乏しい、貧困の国から日本にカネ集めにやって来たこの外国人達は正幸の親戚であった。 *** その日、正幸は商店街に流れた噂に衝撃を受けた。 戸嶋清嗣が寺本の娘を誘拐した犯人であると記された手紙が出回ったのだ。その男も藤井守と同じく弟の同級生だったので、正幸も当然知っていた。商店街の人達は噂に戸惑っている。 誰がか何気なく言った。「アイツよりマシ」。 物語はやがて「アイツよりマシ」という言葉を巡って、商店街を大きな渦の中に包み込んでゆく。 夏の強い日差しの中、商店街のアーケードはプリズムとなって、暗かった通りに虹を描いている。 |