清流劇場・オーストリア劇勉強会2021

タイトル ウィーン革命への道のり-19世紀前半のウィーンにおける文学および文化状況-
日時 2021年1月12日(火)19:00~21:30(途中休憩あり)
講師 松村國隆(大阪市立大学名誉教授・オーストリア文学)
対象 演劇経験不問
19世紀のオーストリア社会と文学について、関心をお持ちの方ならどなたでも歓迎いたします。
場所 Zoomによるオンライン開催
料金 1,200円
申込締切日 2021年1月11日(月)
お問い合わせ 清流劇場
企画・制作 一般社団法人清流劇場
■講義内容
ハプスブルク帝国の都ウィーンは、バロック以来、音楽都市、また演劇都市としてヨーロッパ全土に知られていました。まずはそのおおよその歴史をたどります。
しかし19世紀初頭のウィーンでは、ワイマルで活躍したゲーテやシラー、あるいはベルリンやイェーナで活躍したシュレーゲル兄弟、ティーク、ノヴァーリスに匹敵するような作家は輩出しませんでした。それでも10年代の後半から、ギリシア古典悲劇やスペイン演劇に題材を求めたグリルパルツァーの作品が宮廷劇場(今日のブルク劇場)で上演され、20年代になるとバロックの伝統を踏まえたライムントの作品が、さらに30年代から40年代にかけてネストロイの作品が、いずれも郊外の劇場で上演されました。
今回上演されるネストロイの民衆劇『クレーヴィンケル市の自由』は、ウィーン演劇史上どのような位置を占め、どのような階層によって受容されたのでしょうか。そうした問題を、当時のウィーンの文化状況を顧慮しつつ探ってみます。
<松村國隆>


■田中のコメント
清流劇場はオーストリア民衆劇『クレーヴィンケル市の自由』を2021年3月に上演予定です。これに先立ち、広く一般の方にも参加していただける勉強会を企画しました。
この作品の初演は1848年7月1日。ウィーン3月革命勃発後の間もない時期でした。当時のウィーンの状況が鮮明に反映されており、メッテルニヒ体制が崩壊し、革命の最も高揚した5月までが描かれています。作者ネストロイの笑いの特徴はその攻撃の矛先が体制側へも革命勢力へも向けられていることです。彼の作品に民主主義的傾向が見られるとはいえ、特定の被抑圧階級の代弁者はいません。近年の民主化デモとも重なる作品上演を通じ、今一度あるべき社会の未来像を考える機会にしてみたいと思います。どなた様もふるってご参加ください。
<田中孝弥>

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