2025年10月公演
芸術文化振興基金助成事業
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この目は見ている。
お前たちが何をしようとしているか。
タイトル | 『キュクロプス―貧民街の怪物』 |
公演期間 | 《大阪》一心寺シアター倶楽 2025年10月16日(木)〜19日(日) 《東京》駅前劇場 2025年10月23日(木)〜26日(日) |
出演 | 髙口真吾 Takaguchi Shingo アンディ岸本 Andy Kishimoto 日永貴子 Hinaga Takako 八田麻住(マスミノソラ) Hatta Masumi(Masuminosora) 曽木亜古弥 Sogi Akoya 辻登志夫(tsujitsumaぷろでゅ〜す) Tsuji Toshio(tsujitsuma produce) 大対源 Ohtsui Gen 山本香織(道頓堀セレブ) Yamamoto Kaori(Doutonbori celeb) 音楽・演奏:仙波宏文 composition & performance:Semba Hirofumi |
日時 | 2025年10月16日(木)19:00 10月17日(金)14:00 / 19:00 10月18日(土)14:00 ★ 10月19日(日)14:00 ※各回、開演5分前から田中孝弥によります《ビフォアトーク》を行います。 ★終演後アフタートークあり。アフタートークの出演者は後日公表します。 |
場所 | 一心寺シアター倶楽![]() ※各線「天王寺駅」、Osaka Metro谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」、堺筋線「恵美須町駅」より、徒歩約10分 ※お客様用駐車場はございません。お車でお越しの場合は近くのコインパーキングをご利用下さい。 |
料金 | 日時指定・全席指定席※1 一般前売券:4,800円 当日券:5,300円※2 各種割引券※3 ペアチケット:9,000円 U-22券:2,500円(22歳以下の方を対象)※4 シニア券:4,500円(70歳以上の方を対象)※4 ハンディキャップ:3,500円※4※5
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日時 | 2025年10月23日(木)19:00 10月24日(金)14:00 ◆ ★ / 19:00 10月25日(土)13:00 ◆ / 18:00 ★ 10月26日(日)13:00 ※各回、開演5分前から田中孝弥によります《ビフォアトーク》を行います。 ◆字幕あり:タブレット型バリアフリー字幕 ★終演後アフタートークあり。アフタートークの出演者は後日公表します。 |
場所 | 駅前劇場![]() ※下北沢駅/小田急線・東口より徒歩3分、京王井の頭線・中央口より徒歩3分 ※お客様用駐車場はございません。お車でお越しの場合は近くのコインパーキングをご利用下さい。 |
料金 | 日時指定・全席指定席※1 一般前売券:5,000円 当日券:5,500円※2 各種割引券※3 ペアチケット:9,400円 U-22券:2,500円(22歳以下の方を対象)※4 シニア券:4,700円(70歳以上の方を対象)※4 ハンディキャップ:3,500円※4※5
◎本事業の鑑賞サポートは、誰もが芸術文化に触れることができる社会の実現に向けて、「東京文化戦略2030」の取組「クリエイティブ・ウェルビーイング・トーキョー」の一環としてアーツカウンシル東京が助成しています。 |
チケット予約 | 2025年8月11日発売開始 【クレジット決済/PayPayをご利用の場合】 PassMarketよりご購入ください。 【カンフェティをご利用の場合】 カンフェティよりご購入ください。 【銀行振込の場合】 こちらより必要事項をお知らせください。 ★上記いずれの場合も、開演5分前にご来場されていない場合、座席指定は解除となります。 |
チケット取扱い お問い合わせ |
清流劇場 |
スタッフ | 原作:エウリピデス Original Work by Euripides 上演台本・演出:田中孝弥 Stage Adaptation and Direction by Tanaka Atsuya 原作翻訳:丹下和彦 Translation by Tange Kazuhiko 舞台監督:大野亜希 |
チラシ | PDF DOWNLOAD(大阪公演) PDF DOWNLOAD(東京公演) |
★感染症対策について
・発熱等の体調不良のお客様はご来場を控えてください。
・劇場内ではマスクのご着用を推奨いたします。また、咳エチケットのご協力をお願いいたします。
★荒天・自然災害が生じた場合、公演実施計画に変更が出る可能性があります。
随時開催状況に関する情報をお知らせしますので、ご確認ください。
◆ 作家紹介 profile エウリピデス(Euripides 紀元前480年(『エウリピデス伝』『スーダ辞典』による)〜紀元前406年) ギリシア三大悲劇詩人の一人。 父親ムネサルコスと母親クレイトの間に生まれる。父親は貧しい行商人。母親は市場の野菜売り。アテナイ市もしくはその近くのサラミス島で生まれたとされる。はじめは格闘技の選手を目指すが、のちに精神的世界へ関心を示し、プロタゴラスに修辞学を、ソクラテスに倫理学と哲学を学ぶ。アナクサゴラスへも師事するが、彼の学説が「太陽神アポロンへの不敬」とされ、政治的迫害を受けたのを機に、悲劇作家に転身する。その作風は革新的であり、伝統的な悲劇の世界へ知性と日常性を導入した。作品様式面では「機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)」という劇作技法を多用したことが特徴的である。紀元前408年、マケドニア王アルケラオスに招かれ、都(ペラ)へ赴く。紀元前406年、マケドニアで客死。 劇壇のライバル・ソポクレスは訃報に接し、丁度競演会の予備行事の場にいたが、喪服に着替えて弔意を表したという。 その容貌については「そばかす、濃いあごひげ」との短評あり。作品は三大悲劇詩人の中で最も多い19編が残存している。 主な作品:『メデイア』『ヒッポリュトス』『エレクトラ』『タウリスのイピゲネイア』『ヘレネ』『オレステス』『バッコス教の信女たち』等 |
◆ ものがたり story ※本作はエウリピデスの唯一現存するサテュロス劇『キュクロプス』を基に、1961年の武庫川河川敷(兵庫県尼崎市)を舞台に再構築した作品です。 1961年、尼崎・武庫川河川敷。屋根に「一つ目」が描かれたバラックが建っている。ここには長年、貧しい人々が住み着き、クズ鉄屋の親方(キュクロプス)を中心に暮らしていた。だが、県は「河川敷の美化と防災」を名目に住民の立ち退きとバラックの取り壊しを強行しようとしている。 台風が襲来した夜、親方夫婦とその家族は、バラックが流されないよう懸命に備えている。その姿を、県の土木建築部長(オデュッセウス)とその部下たちが、橋のたもとから眺めている。部長は「強制代執行」の責任者であり、河川敷住民を立ち退かせる役割を帯びている。部長らは身分を偽り、河川調査員と土木技師として、親方のバラックを訪れる。台風による浸水被害から逃れるため、助けを求めにきたという口実である。親方の妻は、酒に目のない義弟が「部長らの用意した酒」に手を出してしまったことから、渋々、彼らの滞在を受け入れる。 しばらくのち、作業場から帰ってきた親方は、部長らを「代執行」の関係者ではないかと怪しむ。部長は懸命に「河川調査が目的」と釈明するが、親方は彼らの言葉を信用しない。 |
◆ 善と悪の間 introduction オデュッセウス(ギリシアの英雄)は本当に「正義の人」なのか? キュクロプス(一つ目の人喰い怪物)はそんなに「恐ろしい者」なのか? 古代ギリシアのサテュロス劇『キュクロプス』を読んだとき、私はそう問いかけられているように感じた。 この物語を現代に上演するための手掛かり──今も昔も変わらず「人が心に抱え、拭いきれないもの」は何か。 オデュッセウスは、国家を背負いながら、自己保身と謀略を繰り返す政治家に見えた。 キュクロプスは、異形の肉体を持ち他者と隔てられながらも、蛮地に根を張り、懸命に生きる人に見えた。 そのとき、頭に浮かんだのは、私の故郷・尼崎の武庫川河川敷でかつて暮らしていた人たちのことだ。 行政によって強制的に立ち退かされ、「なかったこと」にされた人たち。 都市の周縁に暮らしながら、「町の人たちとは違うニオイのする者」とされ続けた人たち。 その姿はまさに「現代のキュクロプス」ではないか。 私は、オデュッセウスとキュクロプスを、「行政」と「見えない存在にされた者」の対峙として描きたい。 そして、この二人もそれぞれ、心の中は善と悪の間で揺れ動きせめぎ合う──その姿を通して、人が心に抱え、拭いきれない「業(ごう)」を浮かび上がらせたい。 田中孝弥
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