清流劇場・ギリシア劇勉強会2025
 

人間への眼差し、人間心理への飽くなき追求。
おおよそ2400年前の作品でありながら、色褪せることなく私たちを引きつけるギリシア劇。
時代の風雪に耐え、これまで残ってきた不朽の名作群を紐解きながら、《人間存在をどのようにとらえるか》・《いかにして自らが、より精神的豊かさを携えて、生きるか》をテーマに、ギリシア劇をもっと深く学んでみたいと思い、この勉強会を企画しました。
9年目を迎える今年は、これまでと趣向を変えまして、複数の講師の先生をお招きし、ギリシア劇の魅力に迫っていきます。
前期は、一つ目の怪物が登場するエウリピデスの作品『キュクロプス』を起点に、講義が展開されます。
私たちは怪物をどう見るか、怪物は私たちをどう見ているか。そんな話も出てくるかもしれません。
後期は、メナンドロスの新喜劇を扱います。市民の日々の暮らし、道徳や習慣、喜びと苦しみが描かれます。
オンラインでの実施に加え、アーカイブ視聴ができますので、時間と場所を問わず参加しやすくなっています。
初めての方でも入りやすい講座です。どなた様もふるってご参加ください。

田中孝弥

内戦終結後100年、アテナイは政治も文化も大きく様変わりしました。
エーゲ海沿いの都市国家ポリスは巨大なアレクサンドロス帝国となりました。
ヘレニズムの時代が始まったのです。国家が大きくなりすぎて、個人が国家から遊離する時代になったのです。
政治や政治家が身近なものではなくなりました。あのクレオンがいなくなって、喜劇も変わりました。
政治批判、政治家への個人攻撃が影を潜め、代わって描かれるのは下町の風俗、人情の世界で、筋の面白さと軽妙な会話が好まれました。
登場人物も気難しい親父、放蕩息子、恋に悩む若者、純情乙女、遊女、威張る軍人、食客といった連中。
どうやらわれらの世界と大差ない世界です。
どうです、メナンドロスを読んでみようじゃありませんか。

丹下和彦
タイトル 『アクロポリスの丘の麓から』
─サテュロス劇『キュクロプス』に端を発した、怪物・異形にまつわるエピソード─(前期/第1回〜5回)
─ギリシア新喜劇を読む─(後期/第6回〜12回)
レクチャーの概要
(全12回)
■ 前期(第1回〜5回)使用テキスト:『キュクロプス』(エウリピデス作)
第1回:2025年4月8日(火)19:00~21:30
『キュクロプス』に見られるポリュペモスの滑稽性
講師:宮城徳也(早稲田大学教授)
第2回:2025年4月22日(火)19:00~21:30
叙事詩『オデュッセイア』の中で遭遇する怪物たち
講師:佐野好則(国際基督教大学教授)
第3回:2025年5月13日(火)19:00~21:30
『変身物語』とポリュペモス
講師:宮坂真依子(早稲田大学非常勤講師)
第4回:2025年5月27日(火)19:00~21:30
トリックスターとしてのポリュペモス 「恋の薬は歌のみ」をめぐって
講師:宮城徳也(早稲田大学教授)
第5回:2025年6月10日(火)19:00~21:30
野蛮と文明のあわいの『キュクロプス』
講師:吉武純夫(名古屋大学教授)
後期(第6回〜12回)講師:丹下和彦(大阪市立大学名誉教授)
第6回:2025年6月24日(火)19:00~21:30
新時代の旗手メナンドロス─時代・人・作品─
第7回:2025年7月8日(火)19:00~21:30
メナンドロス『人間嫌い(気むずかし屋)』(前317年)
第8回:2025年7月22日(火)19:00~21:30
メナンドロス『楯』(上演年不明)
第9回:2025年9月4日(木)19:00~21:30
★古代ギリシアの食文化─1泊研修旅行
(この回は対面講座のみ実施。オンラインでの受講はできません。)
第10回:2025年11月18日(火)19:00~21:30
メナンドロス『辻裁判(調停裁判)』(上演年不明)
第11回:2025年12月2日(火)19:00~21:30
メナンドロス『髪を切られた女(娘)』(上演年不明)
第12回:2025年12月16日(火)19:00~21:30
メナンドロス『サモスの女』(上演年不明・前314年?)

※1回のみの参加も受け付けております。
※途中休憩あり

レクチャーの形態 オンライン講座(各回前日までに《Zoomのアドレス》をお送りします)
※翌日から1週間、アーカイブ視聴ができます。
料金 1回1,650円(税込)
対象 演劇経験不問。ギリシア劇を学びたい方ならどなたでも歓迎いたします。
お申し込み方法 【クレジット決済/PayPayでの事前決済】

上記該当回のURLよりご購入下さい。
〈購入/申込完了〉の自動返信メールをお送りします。

【銀行振込での事前決済】
こちらより以下必要事項をお知らせください。
 ①お名前 ②ご連絡先(電話番号・メールアドレス)
 ③参加希望日
折り返し、〈振込先口座のご案内〉をメールにてお送りしますので、
手続きをお願いします。
お申し込みされた方には確認のため、seiryutheater.study@gmail.com より返信させて頂きますので、事前にこちらのメールアドレスが受信できるように設定しておいてください。
着金確認後、〈ご購入完了〉のメールをお送りします。

お申込み締切日 各回実施の2日前
スタッフ 表紙絵:政野裕果
企画・制作:一般社団法人清流劇場
チラシ PDF DOWNLOAD
LINEで送る
Pocket