2004/09/11 読書する

曇り時々晴れ。
この町に来て、初めての曇天。昨日の酒が残っているのか、体も重い。昨晩はアホみたいにはしゃいでしまった。シャワーを浴びて、アルコールを抜く。『あー、風呂に入りてぇ!』。ボクの住むこの部屋には浴槽がないから、風呂につかるというのが出来ないのだ。「こっそり日本に帰って、風呂にだけつかって、すぐまたこっち戻ったろか」。「いやいや何言うとんねん、まだ11日やぞ」。やはりアルコールが残っているようだ。
今日は、日本から持ってきたドイツの歴史の本を読み始める。ボクはこの国のことをあまりにも知らない。知らなさ過ぎる。『観光客からの脱皮!』。それが当面の目標である。リビングと喫煙スペースであるトイレに二冊の本を配置。並行読みを始める。うーん、日本語ってステキ。すらすら読める。しかし、当たり前なんだが、カタカナの人名とカタカナの都市名ばかりで頭の中が混乱する。
16時半にYoshio Yabara(漢字は不明)さんにお電話する。今晩、観劇予定のGRIPS Theaterの作品について解説して下さるというので、お会いしにHumboldhain駅へ。駅から3分というホント便利な場所にあるYabaraさんのアトリエへおじゃまする。1時間ほどお話しを伺ってお暇する。彼はドイツに来て約30年のベテランである。GRIPS Theaterの衣装担当もされているようだ。「ようだ」というのは、ご本人の名前の漢字もそうなのだが、本人については何も聞けなかったからだ。とにかく素晴らしいマイペース振りでお話されていた。ボクは聞くだけに終始。相手に喋る隙を与えない、なかなかのキャラクターであった。
19時半~22時50分。(幕間休憩あり)。GRIPS Theaterの代表作「Linie 1(地下鉄1号線)」を観劇。さすがに大した作品である。日本や韓国でも(ロシアでも?)翻訳上演されているだけのことはある。今まで見たドイツのお芝居の中で一番良い作品だった。戯曲も演出も人物の配置と造形が成功している。俳優もしっかり稽古を積んでいる。「トルコ人街(貧民街)」と「高級住宅地」を結ぶ地下鉄1号線を舞台に、一人の少女が愛する彼氏を追ってやって来て、電車の中で色んな人たちと出会う。で、(おそらくだが)少女はちょっとだけ成長する。オシマイ。内容は実に簡単な成長譚である。しかし初演も今回も、時代背景は東西分裂時代の頃の話なので、話はより切実で身を切られるような作品になっている。それをミュージカルでやってのけた。「歌わずに居られない切実さ」。「笑うしかない切実さ」。なかなかやるやんけ、Volker Ludwigのおっさん!
とはいえ、言葉が分からないので、長時間芝居を見ると、疲れて、集中できなくなってくる。
しかしまたここで、一つ発見。それは劇場という場所にいるとボクは安心できるんや、ということである。劇場だとおそらく、そこで行われている思考や葛藤が「同業者」として分かるからかも知れない。勿論、美術館に行ったり、博物館に行ったりするのも良いが、ボクにとってはたとえ異国であっても劇場というのは落ち着ける場所なのである。
少し格好エエことを発見した後は、家に帰って、一人、地味にざるそばを食べる。ドイツの重い料理を食べるのは飽きてきた。胃が重い。単に飲み過ぎなだけかも知れないけど。

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