タイトル | 『鬼の顔』 | |||
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場所 | AI・HALL | |||
出演 | 船戸香里 / 魔瑠(遊気舎・-IST) | |||
作・演出 | 田中孝弥 | |||
舞台監督 | 永易健介 | |||
照明 | 西岡奈美 / 岩村原太 | |||
音響 | 金子進一 / 谷口大輔 | |||
宣伝美術 | 天音比佐 / 松本ユウコ | |||
舞台写真 | 石川隆三 | |||
制作協力 | 飯村登史佳 | |||
制作 | 清流劇場 | |||
田中のささやき | 35歳の独身女性・宮ちゃんこと宮本由子は父親と心中を計り、父親は亡くなりますが、彼女は一命を取り留めます。彼女の高校時代からの親友・菊ちゃんと担任だった元教諭の高安さんが面会に訪れた後から物語は始まります。 舞台には宮ちゃんは登場せず、彼女が何故、承諾殺人へと傾斜していったのかを、菊ちゃんと高安さんの語らいの中から浮かび上がらせます。 実際の事件では介護制度や行政のサービス問題がクローズアップされていますが、本作品では、「世間」という言葉の角度から事件を捉えてみようと考えています。 私たちが生きている生活圏を指す言葉には、「社会」「世の中」「世間」などいくつかあります。「世間体」「世間で通用する」「世間の口に戸は立てられぬ」など、世間という言葉を用いた表現からも分かるように、「世間」と「個人」の関係は、徐々に変質しつつあるとはいえ、現在も従属関係が残っています。 「個人」の尊厳を元にした「社会」の中で暮らせず、「世間」の中で安定を求め、やがて何かのキッカケで、「世間」と「個人」の関係のバランスが崩れた時に、人は孤独に陥り、冷静な思考に停滞が生じるのではないか。と、考えます。 物語は宮ちゃんが天真爛漫だった高校時代から現在への変貌ぶりと並行させながら、世間とどのように向き合っていったかを描いています。 |