2002年12月公演 扇町ミュージアムスクエア協力公演 タイトル 『キフキフ』 日時 2002年12月6日(金)19:30 12月7日(土)15:00 / 19:30 12月8日(日)14:00 / 17:30 場所 扇町ミュージアムスクエア 出演 武資子 / 船戸香里 / 谷川未佳 / 小畑香奈恵 / 杉山寿弥(あうん堂) 作・演出 田中孝弥 舞台監督 永易健介 舞台美術 池田ともゆき 照明 岩村原太 音響 金子進一 宣伝美術 天音比佐 舞台写真 石川隆三 ビデオ 坂口高志 宣伝美術協力 山本真梨子 制作協力 桝田聖美 / 柳澤尚樹 協力 クオークの会 / M.C.S. / 山下りき / 田中真智子 / 鈴木俊啓 / 菅本城支 / 金哲義 田中のささやき 岸野令子さんのシネマエッセイ「猫の手 貸します。」を読んだ。 ライナー・W・ファスビンダー監督『不安と魂』(74年/西独)という映画がなかなか興味深い作品に思えた。残念ながらボクはその映画を観たことがない。ビデオ化もされていないようだから、どこかの映画館で再び上映されるか、テレビででも放送されるのを待つしかない。 その『不安と魂』の内容を少し。 夫に先立たれ、女手一つで子供を育てあげたエミーと、モロッコから出稼ぎに来ている男(アリ)。この二人が主人公。 エミーとアラブ人のアリは20以上も年が離れている。エミーの子供は結婚して独立しているぐらいだから勿論、エミーの方が年上だ。この二人の恋物語。周囲の人々のあからさまな差別と偏見は、二人の絆をさらに強める。しかし、その何モノにも負けない二人の愛情も、過酷な状況に次第に閉塞していく。不安が魂を蝕むのだ。 「心配がココロを食べる」アラブのことわざだと、アリは言う。そして「キフキフ」。〈平気へいき〉というアラブ語だ。寄り添う二人。 なかなかうまく生きていけないボクに、何かしらの作品を創ることができるなら、それはただ素朴に、ただ素直に今できることを、できる時にできるだけやることだ。「キフキフ」と自分に語りかけてみる。そして劇場に足を運んで下さる観客の皆さんに「キフキフ」と語りかけてみる。 あらすじ 関西のとある高校。高校2年の3学期に行った信州への修学旅行の途中、悲劇は起こった。 トンネル崩落事故。カナエを乗せたバスは無事だったが、放送部の仲間は不運に見舞われた。仲間を乗せたバスは巨岩に押し潰され、乗客乗員全て圧迫・即死状態だった。 20年後。長い時を経て、カナエはその崩落現場を訪れた。 1本のカセットテープを手にしていた。 それはあの放送部の仲間と製作したラジオドラマだった。 作品は『ハーメルンの笛吹き男』。 ※『ハーメルンの笛吹き男』 『ハーメルンの笛吹き男』は1284年6月26日、ドイツ・ハーメルン市で起きた130人の子供の失踪事件がモチーフとされている。 厳然と存在するその行方不明の事実に、15~16世紀頃、“ネズミ捕りの男”のエピソードを加えられ今日の伝説となった。 Tweet Pocket Share on Tumblr