『バーサよりよろしく』『ロング・グットバイ』

2002年8月公演
ウイングフィールド10周年記念企画参加公演
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タイトル 『バーサよりよろしく』-Hello from Bertha-
『ロング・グッドバイ』-The Long Goodbye-
※『「バーサよりよろしく』『ロング・グッドバイ』は
The University of the South,Sewanee, Tennesseeの承諾のもとに上演されました。
日時
2002年8月30日(金) 19:30
8月31日(土) 15:00 / 19:30
9月1日(日) 14:00 / 17:30
場所 ウイングフィールド
出演 船戸香里 / 谷川未佳 / 武資子 /
佐々木淳子(劇団太陽族) / 河合良平(インテレ-P) / 倉田操 /
中島ひろひさ(ブルーシャトル) / 林信行(いちびり一家)
テネシー・ウィリアムズ
翻訳 鳴海四郎「バーサよりよろしく」
倉橋健「ロング・グッドバイ」
演出 田中孝弥
舞台監督 岡一代
舞台美術 池田ともゆき
照明 岩村原太
音響 金子進一
宣伝美術 天音比佐
写真 石川隆三
ビデオ 坂口高志
演出助手 山根聡子
宣伝美術協力 山本真梨子
制作協力 柳澤尚樹
協力 扇町ミュージアムスクエア / 劇団太陽族 / クオークの会 / M.C.S. /
山下りき / 田中真智子 / 鈴木俊啓 / 菅本城支 / 金哲義
田中のささやき ボクは秀子と交際を始めて、もう8年近くになる。普通ならもうそろそろ結婚してもいい時期だ。
口にはしないが、ボクの両親もそろそろ孫の顔が見たいようだ。
彼女は家系のせいか寒いのが大の苦手のようで、あまり冬は出歩かない。
こっちも冬は劇団の公演があったりして、あまり一緒に居ることができないので、ちょうどいいと言えばちょうどいい。
だけど彼女は逆に夏は大はしゃぎでよく泳いだりしている。
ボクは夏も劇団の公演があることが多く、だから夏は肩身が狭い。口にはしないが、彼女は天神祭なんぞに行ってみたいはずだ。
よくよく考えると、ボクは彼女とどこかへ旅行など一度もしたことがない。よくもまあ、それで8年も交際が続いているものだ。
「何のハナシなんだ?テメエの交際歴なんぞ、ぐだぐだと書きやがって」
ごもっともでございます。その通りでございます。
今回の公演はテネシー・ウィリアムズさんの一幕劇を2本上演しますので、何かそれに関連するオハナシを書こうと思っていたら、だいぶん横道にそれてしまいました。すみません。
しかし、彼女は今日も朝から元気一杯なんですよ。
「一度ぐらいチラシに私のことを書いてよ」って。ボクが歯を磨いていると、「餌をくれ」って、水槽の中で大暴れするし。
はい、そうです。秀子さんとはボクの飼っているカメの名前です。
「テメエ、この野郎、それで『ガラスの動物園』と引っ掛けるつもりだな」
はい。そうです。すみません。
あらすじ 『バーサよりよろしく』-Hello from Bertha-
娼婦宿。
寝台に娼婦バーサがここ二週間、病気で寝込んでいる。勿論、商売はできない。彼女に部屋を占領されては仲間の商売に差し支えると、ゴールディがバーサの追い出しを計る。
「立ち去る決心がつかないなら救急車をを呼ぶよ」と脅かすが、その後、ゴールディはチャーリーに手紙を書いて身受けしてもらいなさいとバーサに提案する。
チャーリーはバーサの昔の恋人。バーサは今も彼を愛しく思っているが、落ちて娼婦の身である今、彼の庇護など求められない。チャーリーは大切な思い出でいい。
ゴールディはバーサを一刻も早くここから出そうとするが、バーサは一層烈しく抵抗する。バーサはわずかばかりの貯金を持ち出そうとするが、そんなモノも、とうの昔、酒代に消えていた。バーサは、その事にさえ気付かない。心身に異常をきたしていた。
ゴールディを泥棒呼ばわりし、バーサは怒りや憎しみ、嫉妬を爆発させる。たまりかねたゴールディは恐る恐る部屋を出る。
一人になったバーサは自嘲しながら、愛しいチャーリーに呼びかけはじめる。
ゴールディが病院へ通報したことを告げに来ると、バーサは同業仲間のリーナを呼び寄せ、チャーリーへの手紙を代筆させる。
「皆が私を凶暴性患者病棟へ監禁しようとしているの、法律上の正当な手続きもなく。犯罪者ってわけ。でも正気よ。あなたと同じように……。お願い、ここから出して…」
しかし、バーサはこれを全部消してしまう。
「現実」に迫害されながらも懸命に生きるバーサの「せいいっぱいのココロ」を描きます。
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『ロング・グッドバイ』-The Long Goodbye-
大都会の共同住宅F号室が舞台。物書きのジョーはいまアパートを出て、遠く南米の町へ引っ越そうとしている。
運送会社から男たちが到着するのを待つ間も相変わらずタイプの前に座っているが、周囲の騒音が気になって、原稿は一向に進まない。
友人シルヴァが訪ねて来た。彼はジョーに「古い家具を売却し、その金を投機しろ」とすすめるが、ジョーはその気になれない。家具の一つ一つに「家族の歴史」がしみついているからだ。
やがて運送会社が到着し家具を外に運び出す。寝台が妹のマイラや母を思い起こさせる。昔のマイラ。彼女はその夜もビルとデートに出かける。キザで軽簿でひ弱な男にマイラは惚れ込んでいた。マイラはジョーを青白い能なしの文学青年ぐらいにしか思っておらず、放縦な生活を送っている。妹いとしさゆえに、それをじっと見守るしかない。
母は癌で病床についていたが、自分の死を予感して睡眠薬自殺を図った。母は夫の家出の後、娘マイラの不品行を心配し、またジョーの生活と将来を気遣い、生命保険金を子供らの遺産に残していったのである。ビルに騙されるマイラ。母の自殺も知らず、ビルを弁護するマイラへのジョーの憤り……。
今デトロイトにいるマイラから送られてきた彼女の写真を友人に見せながら、ジョーは、自分を軽蔑し決定的な対決をして家を飛び出した妹を切ないほどに思い出す。がらんとした部屋にジョーはしばし佇む。
しかし今、ジョーは哀しい一切の家庭的束縛を断って、自由に生きる道を選んだ。
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