タイトル |
『わが町』 |
日時 |
2004年7月30日(金)19:30 |
7月31日(土)15:00 / 19:30 |
8月1日(日)15:00 |
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場所 |
大阪市立芸術創造館 |
出演 |
船戸香里 / 小畑香奈恵 / 山田一幸(朱亜 shu-A) / 雪之ダン /
森崎正弘(MousePiece-ree) / 信平エステベス(遊気舎) /
菅本城支(南船北馬一団) / 瀬川有生 / 坂野多美 / 岬千鶴 |
作・演出 |
田中孝弥 |
舞台監督 |
池田意匠事務所 |
舞台美術 |
池田ともゆき |
照明 |
岩村原太 / 西岡奈美 |
音響 |
谷口大輔 |
宣伝美術 |
天音比佐 |
舞台写真 |
石川隆三 |
宣伝美術協力 |
山本真梨子 |
制作協力 |
柳澤尚樹 / 桝田聖美 |
制作 |
清流劇場 |
協力 |
クオークの会 |
田中のささやき |
駅に向かって友人と歩いていた。向こうから自転車に乗った中年女性がやってきた。彼女はそのままボク達の横をすり抜けようとした。しかし、ハンドル操作に不安を感じたのだろう中年女性のおばさんは、ボク達の目の前で自転車から突如飛び降りると、自転車を押しながらすれ違った。
そして去り際に一言。「何とかしィや!」。
何をしたらいいのか、三日ほどボクは考えた。
駅まで歩いていたボク達。うむ、そうよね、一般庶民が二人並んでお喋りしながら歩いていて、その隣を自転車さえ安全に通り抜けられないあの歩道の幅に問題があるのだ。見知らぬおばさんではあったが今度お会いしたら、「わが町」の道路行政を担当されている方に、駅に向かう決して裏通りでもない道路さえ、二人の歩行者が平和に歩いていて不具合が生ずるように建設したその意図についてお聞きになるべきだと進言しようと思う。
また一つ住みやすい「わが町」を作る貢献を考えたボクは、「わが母」にこの話をした。
わが母「早よメシ食うてまえよ」。
ボク「俺の話聞いてんのか」。
わが母「そんなもん、ややこしいこと言わんと、自転車が来たらお前がシュッとよけたらしまいやないか」。
庶民の味方であるボクは今日もまた「わが町」を救えず、わが母が怒るのでご飯を急いで食べた。
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あらすじ |
今は『高田町生涯学習ルーム』とその名を変えた元小学校。
その教室が舞台です。
夜、ここには町内の住民たちが集い、町会が行われます。
町会が始まる少し前に来ていた事務局長の植田が、最近引っ越してきた槇村浩子に 空き缶のリサイクル運動の話など、町内の事について説明をしています。外で奇妙な音がしました。
植田と浩子は、それが最近施行されたとある法律の影響であることを、すぐに察しました。その法律とは《一日に一回、誰かを殴る》法、通称《ドツク法》というものでした。
住民達は大きな違和感を持ちつつも、次第にこの法律に慣れていきます。
物語は《ドツク法》施行後の住民達の、この「この麻痺していく感覚を先鋭化 していく感覚」に焦点を当てていきます。
そして、住民達が抱える、ぬぐい去ることの出来ない「生活の痛み」と、ココロの中に沈む澱を描いていきます。
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